出産後の母乳は、吸わせ方が一番の難所となり「吸ってくれないから・・」と挫折するママさんも多いのですが・・、
今まで順調に母乳が出ていたのに、だんだんと出が悪くなってきた・・そんなお悩みを抱えるママも多いのではないでしょうか?
子供が母乳を飲む量が急激に変わったわけではないのにどうして?
と不安になりますよね。
そこで今回は母乳が突然出なくなったらどうすれば良いのか?考えられる原因と対処法についてまとめてみました。
母乳がでなくなる原因
母乳は赤ちゃんに吸われることによって乳腺が開いていき、次第に沢山出てくるようになります。
最初から母乳を吸わせていないのなら母乳も出なくなりますが、ずっと吸わせているにもかかわらず出なくなったのには原因があります。
また、最初から母乳がでない人というのは、実はほとんどいなくて、吸わせ方や吸わせる回数によって母乳の出も変わってきます。
脱水が原因
母乳のほとんどは水分でできています。ママの体が脱水状態にあっては肝心な水分がないので母乳は作れません。
人間の体は通常時で1日約2リットルの水分を必要としています。
授乳期はさらに増えて、約3リットル程度の水分摂取が必要とされています。
食事からおおよそ1〜1.5リットル程度の水分がとれますので、毎日1.5〜2リットルくらいの水分は飲みたいところです。
水分の種類
暑い季節やお風呂上がりなどは冷たいドリンクをごくごくと飲みたくなりますが、体を冷やす原因となるので、キンキンに冷えたものはあくまでも嗜好品として飲む程度にしましょう。
同様にジュース・スポーツドリンクなども糖分が多いので、常飲することは避けましょう。
意外と気をつけたいのが、スムージーや野菜ジュースなどの飲み物です。
これらの飲み物は、野菜や果物の成分がギュッと濃縮されてとても体に良さそうなイメージがありますが、中には糖分・塩分が多いものもあります。
購入して飲む時には栄養成分を確認して、できるだけ素材の味を生かした銘柄を選ぶと良いでしょう。
また、これらは水分としてカウントするのではなく、栄養素として摂取するのが基本です。
そこで、理想的な飲み物は水です。
白湯あるいはノンカフェインのお茶(麦茶やルイボスティーなど)を、ぬるめ〜常温程度で1回につき少しずつ飲むことです。
1日中ちょこちょこと飲むようにすることで、効率よく水分が吸収され、浮腫みや便秘も予防できます。
貧血・栄養不足が原因
貧血や栄養不足を起こしている場合も母乳の量は減ります。
貧血かどうかを簡単にセルフチェックするには、下まぶたを引き下げて裏側の色を見てみましょう。
赤みががっているのであれば問題ないのですが、白っぽくなっている場合は貧血のサインです。
貧血の多くは鉄分不足によるものなので、レバーや大豆・ほうれん草などを積極的に摂りましょう。
鉄分の吸収を高めるためにはビタミン類も必須です。
デザートに旬の果物などを取り入れるとより良いですね。
また、現代の食事の特徴として
「1日に必要な総カロリーは摂取できているにもかかわらず、炭水化物や脂質ばかりが多く、必要な栄養素は不足している」
という状態です。
子育てに忙しくて、ついつい自分の食事は疎かになっているママも、実は多いのではないでしょうか。
1食で栄養バランスの整った食事を用意するというのは、非常に難しいことです。
1人で食事をするお昼ご飯は手軽に済ませて、家族と共に食事をする朝食・夕食は色々な食材を少しずつ使うといったように、1日単位または1週間単位の長いスパンで栄養のバランスをとるように工夫してみましょう。
きちんと食事を取った上で、足りない栄養素をサプリメントなどで補助するのも良いですね。
サプリメント購入の際には、安心できるメーカーであること、成分をしっかりと表示していることなどはチェックしてくださいね。
もしも、目まいやふらつき、倦怠感などの症状が出た場合は内科を受診するようにしましょう。
ホルモン不足が原因
赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その刺激によりオキシトシンというホルモンが分泌され母乳が出ます。
しかし、このホルモンの分泌量が十分でない場合は、母乳が出にくくなってしまいます。
海外では一部の国でこのオキシトシンを分泌させる薬を処方していますが、残念ながら日本ではまだ認可されておらず、病院を受診しても処方されることはまずなありません。
少しでもオキシトシンの分泌量を増やすには、母乳が出なくても赤ちゃんに吸わせたり、マッサージなどで乳腺を刺激すると復活する可能性があります。
出産した産院や母乳外来などでマッサージを受けたり、方法をレクチャーしてもらえるので気軽にまずは相談してみましょう。
母乳の出が悪いというのは厳密には「病気」ではないので、専門外の場合もあります。
あらかじめ連絡し、今の状態を伝え対応してもらえるか確認してから受診しましょう。
母乳を復活させるには
母乳が出ない原因については、基本的には体内の水分や栄養素が足りていないことが多いです。
赤ちゃんのお世話は想像以上に体力を消耗しています。
食事は十分すぎるくらい摂取しても、「太る」心配は無用です。
赤ちゃんのための栄養素でもあるので、しっかり食事をとるようにしましょう。
また、生活環境の中でストレスを抱えていませんか?
ストレスは病気をも引き起こすものなので、ストレスを感じている人は突然母乳が出なくなる可能性があります。
実際に私の友人は、親族に不幸があり、その直後から母乳が出なくなりました。
大きなストレスは人体に悪影響を及ぼすので、少しでもリラックスをすることを心掛けて下さい。
寝る
おすすめは、とにかく「寝る」です。
夜の睡眠だけではなく、時間があれば寝るようにしましょう。
母乳を作るホルモンは、睡眠時間に分泌量を増加させます。
夜の睡眠だけとか、22時~2時の間にホルモンが分泌されるといわれていましたが、今ではそのような時間は関係ないと言われています。
瞑想をする感じで、「何も考えない」「無の状態」を思いながら、少しの時間でも睡眠をとるようにしましょう。
温める
母乳は血液からできています。
だから血行が悪いと、母乳の出も悪くなります。
ストレスを抱えると、身体は冷えだします。
これは、自律神経のバランスが崩れるためで、身体のリラックス状態(副交感神経)と興奮状態(交感神経)のバランスが保てなくなり、脳と身体のコントロールができなくなるのが原因です。
そこで身体を温めることは、リラックス状態を優位にさせ、ストレスを軽減させる効果にも繋がります。
また、温めることによって血液の循環が良くなり血行も促されるので、なるべく身体を温めるように心掛けましょう。
まとめ
日々の生活スタイルをほんの少し変えることで改善する場合もあるので、まずは毎日の習慣について一つずつ振り返ってみましょう。
どうしても解決しない時は、病院など専門家に相談しましょうね。
また、「ぜったい母乳で育てないとダメなんだ!」と、完全母乳にこだわらず、ミルクを足すことも決して悪いことではありません。
母乳のことばかり考えることが「ストレス」になってしまい、余計に出ない‥なんてことになっては、もったいないです。
どのような方法でも、赤ちゃんのお腹を満たしていれば立派な育児です。
無理はせず、まずはママの身体を整えて、ご自身にあった方法で授乳しましょう。