育児をしていると戸惑うことは山のようにありますが、そのうちの一つが「食事」についてではないでしょうか?
離乳食の期間は、育児書や保健センターなどの指導により、食材や調理法などの情報が比較的入手しやすいのですが、離乳食が終わった途端に、これといったマニュアルはなくなってしまうのが現状です。
そのため特に、お刺身や生卵などの生ものの与え方に関して悩むママも多いですよね。
そこで今回は、これらの生ものの子供への与え方について解説していきます。
生ものを食べ始めてもいい年齢は?
離乳食が完了する1歳半までの時期の子供は、消化機能はまだまだ弱く、生ものに含まれるタンパク質を消化することができません。
したがって、離乳食期は完全に火の通ったものを食べさせなくてはなりません。
その後、成長とともに食生活も変化し、徐々に消化機能も強化されてより多くの食材を消化することができるようになってきます。
それでは、生ものを食べ始めてもいい年齢はいくつからなのでしょうか。
かといって、3歳になったらバクバク食べてもいいのかというと、そういうわけではありません。
初めて食べる食材は少量ずつ、様子を見ながら与えていきましょう。
また、大人に比べて味覚や嗅覚が鋭い時期でもあります。
生もの特有の臭みや食感を苦手とする子も多いので、無理強いはしないようにしましょう。
生ものを食べる時の注意点は?
子供は消化機能が弱いだけではなく、抵抗力も大人に比べると格段に弱いのです。
一般的に子供が大人と同様の抵抗力を持ち始めるのは、おおよそ10歳から12歳ごろと言われているので、幼児の体に備わっている抵抗力ははまだまだ未熟なものです。
生ものにはその性質上、多少の菌が付着しています。
大人が食べても問題ない菌の量でも、幼児にとっては下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こす場合があります。
場合によっては脱水などを引き起こし、重症化する可能性も否めません。
ですので、幼児に生ものを食べさせるときは、菌が繁殖しやすい夏場だけではなく、油断しがちな冬も食材の衛生管理には普段以上に十分気をつけて、なるべく新鮮な食材を選ぶようにしましょう。
新鮮な食材なら大丈夫?
そこで、「新鮮ならいいだろう!」と思うのも、ちょっと待ってください。
例えば、今日釣ってきた魚だから新鮮だし、お刺身にして食べさしても大丈夫だよね!と思う気持ちもわかるのですが、実は獲れたての生の魚には、アニサキスなどの寄生虫も多く存在します。
大人でもアニサキス症にかかると、極度の腹痛に襲われて病院に行くこともよくあります。
このように、「菌」意外にも「寄生虫」などの感染にも注意が必要なので、幼児に食べさせる時には一度冷凍するなど、下処理にも特に注意して調理しましょう。
アレルギーにも注意
お刺身や生卵を食べるにあたり、アレルギーの有無も確認しておきましょう。
アレルギーの検査は小児科で受けることができます。
採血をして調べるので、子供にとってはちょっと怖い検査になりますが、アナフィラキシーなどの重篤な症状を未然に防ぐためにも、しっかり検査を受けておくのは得策です。
検査の結果が出るまでに、およそ1週間ほどかかるので、もしもお刺身などの生ものを食べる予定がある場合は、早めに検査しておきましょう。
体質は変わりやすい
そして意外と盲点なのが、「子供の体質は変わりやすい」という点です。
乳児期にアレルギー検査をして、すべて陰性だったにも関わらず、その数年後に突然特定の食材でアレルギー反応が出た、ということも稀ではありません。
ですので、少なくとも入園・入学の時期など何か節目の時、または少しでもアレルギーが疑われる症状が出た時など、定期的にチェックするようにしましょう。
食べ物のアレルギー反応は、遅くとも食後2時間以内には起こるものがほとんどです。
初めて食べる食材などは、離乳食の時と同様、食事中だけではなく、食後の様子も変化がないかどうかしっかりと観察しましょう。
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まとめ
日本は外国に比べると、生ものを食すことの多い食文化です。
お刺身・お寿司だけではなく、すき焼きの卵や卵かけご飯など、生ものを食べることができるようになると、ぐんと食事のバリエーションも豊かになります。
しかし、幼児にとっては負担が大きい食材でもあります。
「子供のうちは食べられなくても、いずれ大きくなったら食べられるようになればいいや」くらいの気持ちで、様子を見ながら少しずつ与えるようにしましょう。