幼稚園に入園すると、必ずあるのがお弁当や給食の時間です。
今までは家族の誰かと食事をし、色々と手助けをしてもらっていたお子さんが初めて家族のいない場所で食事をすることになります。
しかし、幼稚園に入園したからといってすぐに自分で上手にご飯を食べれられるようになるわけではありません。
中にはまだまだ1人で食事ができず、口に入れてもらうのを待っている子もいます。
そこで今回は、1人でご飯を食べられるようにするためのアイディアについてご紹介していきます。
幼児が自分でご飯を食べない原因は?
離乳食が始まり、最初はママやパパが口に食べ物を入れてくれる物を食べるという行動から食事が始まります。
そのうち自我も出てきて自分で食べたいとか、お腹が空いたから食べたいという気持ちが出てきます。
でも自分で食べようとしない場合にはいくつかの原因があります。
誰かが口に運んでいる
まだ食べ始めたばかりでは、思うほど上手にきれいに早く食べてくれるわけではないので、こぼしたり遊びだすことはよくある事です。
そこで、早く食べて欲しい・掃除が大変という思いで、いつまでも親が口まで運んで食べさせるという行為・・。
わかりますよその気持ちは!
でもそれでは、食事は食べさせてくれるものと思って、1人で食事をするという行為をしなくなります。
運動不足
幼児も年齢が大きくなるにつれて、行動能力や動く範囲が増えてきます。
それに伴ってお腹が空きやすくなるのですが、身体を動かすことをあまりしていないと、お腹も空きにくくなり、食への関心も少なくなってしまいます。
食事中の環境
例えば、テレビが付いているとか、何か(おもちゃなど)が動いている状態で食事をするという環境では、ご飯を食べるという行為に集中できなくなります。
大人でもテレビに集中していると箸が止まりますよね。
また、ママやパパが自分に集中していない(見ていない)など、無言や無視というのは子供にとっては一番イヤな事です。
食事中に不安要素があると、子供は「食べる」という行為そのものがイヤになってしまう可能性があります。
1人で食べられるようになる方法
汚れることがイヤだというママさんも多いとは思いますが、ここは子供が自分で食べれるようになるために我慢することも必要です。
スプーンやフォーク、お箸など食事をするための道具はたくさんありますが、それらを上手に使えないことにもどかしさを感じて、自分から食事をせずにママに任せてしまうというケースが考えられます。
親としては離乳食から時間が経ち、スプーンやフォークが使えるようになり、お箸も使えるようになってから入園となるのが理想ですよね。
でも、実際は幼稚園になってお箸が使えない子供さんはいます。
我が子の園でも、お箸を使えない子供さんはいましたので、まずはスプーンやフォークなど道具は何でもいいので、「自分で食べる」ということを意識させてあげましょう。
子供が1人ですることを手伝うということに徹して、必要以上の手出しはしないようにママパパも気を付けることが大切です。
手づかみでも食べやすいメニューを用意する
おにぎりやパン・ミニトマト・茹でた野菜など手づかみでも食べやすいメニューを食事の中に取り入れ、まずは「自分で食べたいものを選んで、自分で口に運ぶことの楽しさ」を覚えさせましょう。
そこから徐々にスプーンやフォークなどを取り入れると、自然と使えるようになる場合もあります。
使いやすくお気に入りのカトラリーを用意する
離乳食の頃は、プラスチックやシリコンなどの軽い素材のスプーンやフォークを使っていたというご家庭は多いでしょう。
しかし、年少さんともなるとそのころに比べてだいぶ力もついてくるので、軽い素材ではバランスが取れずうまく食べ物を口に運べないこともあります。
ある程度重量のあるステンレス製や、持ち方の訓練にもなるようなカトラリーにすると、手の中に安定するので食べやすく、食事に対してやる気が湧いてくる可能性もあります。
また、自分で使ってみたいという気持ちを引き出すために、キャラクターが描かれているものを使うというのも良い方法です。
一緒にお店に行って子供さんに選ばせると、使う意欲も湧いてきますよね。
子供さんのお気に入りのものを探してみましょう。
まずはおやつでトレーニングを
おやつにはゼリーやヨーグルト・プリンなど、スプーンがなければ食べられないものを用意しましょう。
できればお子さんの大好物がいいですね。
ご飯は食べさせてもらえるまで甘えてしまうお子さんも、目の前に大好物のおやつを用意されたら自力でどうにかしようとするでしょう。
この時、ずっとそばについているとママに頼りがちになってしまいます。
あえて手を貸せないような状況を作るため「ママはちょっとお皿を洗ってくるね」などと言って、少しだけ物理的に距離をとって見守る工夫をすると、ますますお子さんが自分で頑張らなくてはいけません。
ちょっと荒療法ですが、その代わり少しでも出来たら大いに褒めてあげましょう。
確実にお子さんの自信に繋がります。
一緒に料理を作る
食事に全く興味がないような感じなら、一緒にご飯を作ることで関心が高まることがあります。
プチトマトなど野菜を洗うということだけでも、またレタスをちぎったり切ったり・餃子やお団子など形を作るなど、自分が関わった・作ったという感動から、自分で食べるという行動に繋がりやすくなります。
幼児でも使える包丁もありますので、ママと一緒にご飯を作ろうと誘ってみましょう。
お食事トレーニングで気をつけたいことは?
「幼稚園に行くんだからご飯は自分で食べられないと先生に怒られるよ!」とか、「お友達はみんな自分で食べるんだよ!」というような子供を焦らせたり、不安にさせたりするような言葉がけは年少さんにとってはとてもプレッシャーになってしまいます。
家庭内で少しずつトレーニングすることはもちろんですが、それでも入園までにうまくいかなかった場合は、食事に関して不安があることを担任の先生に包み隠さず報告しておきましょう。
園で自分で食事ができるように誘導してくれたり、また保護者に対して家庭内での指導の仕方についてレクチャーしてくれることもあります。
また、お子さん自身も周りのお友達の影響を受けてやる気を見せることもあります。
できないことを恥ずかしいと思わず、園と保護者の二人三脚でゆっくり子供の成長を見守ることもまた大切なことと言えます。
また、何をしてもどうしても食事をすることに対して関心がない・行動を起こさないという時は、医療機関や地域の育児・支援センターなどで発達相談をしてみることもおすすめします。
まとめ
年少さんになってもまだまだ自分で食事をしない、またはしたがらないというお子さんは意外と多くいます。
しかし、入園当初はまだまだ甘えていたお子さんも、幼稚園生活に慣れてくるとみるみる成長していくものです。
自分で食事ができるようになるため、お子さんのペースに合わせながら、焦らず少しずつトレーニングしていきましょう。