大部屋に入院となると、短期間であっても同室の他の患者さんたちとうまくやっていけるかどうか不安を感じる方は多くいらっしゃいます。
出来ることなら良い関係を築き、快適に入院生活を送りたいということは誰しも考えることです。
そのためにも最初の挨拶は、人間関係を円滑にするのに非常に重要になってきます。
そこで今回は入院時の挨拶の仕方や、カーテンを締め切っている方への対処法などについて解説していきます。
大部屋へ入院時の挨拶について
救急搬送された・具合が悪かったりどこかが痛んで動けないなどといった重症の場合を除き、ある程度自分で動けるのであれば同室の患者さんたちに挨拶はした方がベターです。
しかし、こちらは心身ともに挨拶できるゆとりがあっても、周囲の方も同様とは限りません。
同じ部屋であっても病状は人それぞれで、医療機関によっては異なる診療科の患者さんが同室になることもあります。
入院中とはいえ元気に過ごしている人もいれば体調が悪い人もいます。
また今現在の症状はなさそうに見えても精神的に参っている人もいて、見た目ではその人の状態はわかりにくいものです。
入院してすぐはそういった事情はわからなくて当たり前です。
なので、一人一人に挨拶して回るのではなく、入室した時に「今日からお世話になります。よろしくお願いします」といったごく軽い挨拶で十分です。
入院時に案内をしてくれる看護師さんが「今日から入院します、みなさんよろしくね」などと簡単に紹介してくれることもあります。
入院中は意外と同室の患者さんが入退院・部屋の移動などでコロコロ変わるものです。
長い期間のおつきあいになることは稀なので、あまり難しく考えなくて大丈夫ですよ。
挨拶の時に品物は必要?
これに関しては、全く必要ではありません。というより、入院時の挨拶は手ぶらでするべきです。
これに関してはいくつか理由があります。
挨拶の際の品物を言うと、菓子類などの食品類・もしくは日用品を含めた雑貨類のどちらかを思い浮かべます。
日常生活であれば全く問題のない品々ですが、病院ではタブーなものもあるのです。
まず、食品関係は治療・検査のために食事制限をしている患者さんもいます。
中には「食べたくて食べたくて仕方がない」と言う方もいます。
そんな方に食品を渡してしまうのは酷です。
入院中のささやかな楽しみにちょっとした食べ物を・・・と考えてしまいますが、安易に配ってはいけない品です。
雑貨類に関しては、相手の荷物を増やしてしまい、結果として迷惑になってしまうのでNGです。
同室の患者さんの中には、退院を目の前に控えた人、病状の変化などで転室・転院などの移動を控えている人もいます。
また、家族などの協力がなく、不必要な物品を持ち帰ってもらえないため私物が増えて管理が大変と言う人もいます。
入院中の荷物を無駄に増やさないためにも、こういった品を配る必要はありません。
退院時は?
退院時も同様です。
同室の患者さんの中には共に闘病生活を過ごし、励ましあいながら頑張ったいわば「戦友」が出来ることもあるでしょう。
そういった方に感謝の気持ちを示したい、何も渡さず帰るのは素っ気ない、と考えがちですが、病院という特殊な場では置き土産をせずに帰ることは決して失礼なことではありません。
どうしても、と言う場合は相手にとって邪魔にならず入院生活で必ず使うもの、例えば最小金額のテレビカードや、その日飲む分の飲料などを渡しましょう。
カーテンを締め切っている人への対応は?
カーテンを締め切っている人は、具合が悪い、人と話すのが億劫など様々な理由から周囲とコミュニケーションを取りたくないと言うサインです。
ですので、勝手にカーテンを開けたり、カーテンの外から話しかけたりはせず、そっとしておいてあげましょう。
その人が、トイレや検査などでベッドから離れる時にタイミングが合えば、「こんにちは」「よろしくお願いします」「今日から入院しました」など簡単に挨拶しましょう。
にこやかに返してくれる人もいる反面、無反応だったり時には冷たくあしらわれることもありますが、何らかの疾患を抱えている以上仕方のないことです。
そのような時は、あなたに非があるわけではないのであまり気にしないようにしましょう。
まとめ
病気や怪我なのでただでさえ体が辛い上に、見知らぬ人たちも同じ部屋で過ごすのは何かと気を遣ってしまいます。
しかし、ご自身の療養のためにも自分のペースを守ることも大切です。
しんどかったらカーテンを締め切って横になるのもいいですし、話すことで気が紛れると言う人は、気の合いそうな人を見つけておしゃべりして過ごすのもいいでしょう。
どのような過ごし方をするにしても、最初の挨拶は肝心です。
挨拶といっても堅苦しいものは必要ありません。
自分の体調と相談しながら無理のない範囲で簡単な一言で良いので言葉をかけておけば安心ですね。