真冬の北海道は連日気温が氷点下まで下がります。そんな極寒の地を経験したことのない方にとっては、まさに未知の世界と言えるでしょう。
転勤や進学などで北海道へ転居するとなると、やはり不安なのは冬の生活、とりわけ暖房費についてではないでしょうか。そこで今回は北海道の暖房事情や光熱費について解説していきます。
北海道の暖房は3パターンある
北海道で主に利用されている暖房には3種類あります。一番多いのが灯油、それからガス、そしてごく稀ではありますが薪のストーブを使用しています。またオール電化住宅も増えてきて、電気で室内を温める家庭も増えてきています。
エアコンは寒冷地対応の機種が増えてきましたが、まだまだパワー不足なのでハイシーズンの北海道の主たる暖房としては使用されていないのが現状です。また電気ストーブなどもコストパフォーマンスが悪いので、トイレや脱衣所など狭い空間を暖めるために使用することはあっても、部屋全体を暖めるためにはあまりメジャーな方法ではありません。
賃貸物件であれば、ストーブが備え付けられているので、新たに購入して設置する必要はありませんが、プロパンガス暖房の物件は暖房費が非常に高額になるので、灯油もしくは都市ガス暖房の物件を選ぶようにしましょう。
冬の暖房はつけっぱなし?
前述した通り、北海道の暖房は灯油かガスストーブが主流です。火をつけて暖を取るのが基本的な仕組みなので、火災などの原因にならないように在宅中以外は消します。ただ、セントラルヒーティングの暖房などは寒い時期はつけっぱなしの家庭も多く、地域によっても道東・道北ではつけっぱなしの家庭も多くなります。
就寝中はごく弱火でつけっぱなしのこともありますが、室内の空気がかなり乾燥するので加湿器などを併用することをおすすめします。最近の暖房器具はエアコン同様、温度設定ができるようになっており、一定の室温を保てるので暑過ぎるということにはなりません。
気になる光熱費は?
「そんなに冷え込むなら、光熱費はとんでもないことになるんじゃないの?」と心配される方もいらっしゃるでしょう。しかし、意外と東京都と札幌市の年間あたりの光熱費は大きな差はないのです。
総務省統計局による「家計調査」では、年間あたりの東京都と札幌市の光熱費は、札幌の方が約3万円ほど高額であるという調査結果があります。月で平均すると2,500円ほど札幌の方が光熱費が高いという計算になりますね。
東京都と札幌市の年間の光熱費に大きな差がない理由としては
・北海道は夏場にエアコンを必要とする時期が少ない(もしくは所有していない)
・北海道の住宅は気密性が高いので、一度暖まってしまえば暖かさが持続しやすい
などが考えられます。
あくまでも平均値ですので、家族の人数やライフスタイル、燃料の価格の上下によって変わってくる数字なので、参考値として捉えてください。光熱費を抑えるために、フローリングの上にカーペットを敷く・カーテンは厚手のものにするなどの工夫をしてみましょう。
勤務先によっては「暖房手当」が出ることも
暖房手当という言葉を知らない方も多いのではないでしょうか。北海道では暖房はなくてはならない生活必需品ですので、このような手当を冬期間のみ支給する企業もあります。
これは「必ずしも支給しなければならない」という法的拘束力はないので、支給するか否か、支給する場合の対象者や金額はその企業ごとに異なります。本州の暖かい地域では存在しない手当なので、就業規則や総務担当者に確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
これから北海道に転居する方は、物件探しの際に暖房システムについても確認した上で新居を決定してください。最も冬の暖房費を抑えられるのは「灯油暖房」です。
ガス暖房に比べて部屋が暖まるまでにはやや時間がかかりますが、早い年だと10月下旬から遅くても4月下旬までは使用するので、なるべくコストパフォーマンスに優れた暖房器具を選べば、本州の年間光熱費とそれほど大きな差はなくなります。
北海道における光熱費の参考になれば幸いです。