東京で少しでも雪が降ったら大ニュースとして全国で取り上げられますが、北海道の雪はごく稀に降る大雪の日以外は道外ではほとんどニュースで取り扱いがありません。ですからどのくらいの期間、北海道には雪があるのか、ピンと来ない方も多いことでしょう。
そこで今回は一体いつ頃から雪が降っていつ頃になったら無くなるのか、また地域により降雪量の差があるのか、そんな疑問にお答えしていきます。
北海道の初雪はいつ頃?
気象庁札幌管区気象台の1980年から2010年までの平均値を算出したデータを元に、道内の初雪が早い地域・遅い地域のトップ3をまとめてみました。
2位 旭川市 初雪が10月23日/根雪は11月22日
3位 札幌市 初雪が10月28日/根雪は12月4日
2位 帯広市 初雪が11月7日/根雪は12月10日
3位 函館市 初雪が11月3日/根雪は12月16日
「根雪」というのは気象庁の用語で「長期積雪」とも言います。一度降ったら溶けずにそのまま積もっていく雪のことを指しますが、こうして見ると同じ道内でも根雪になるのは1ヶ月以上の差があるということがわかりますね。
傾向としては、道北・道央は初雪・根雪とも早く、道東・道南は遅いということが読み取れます。
北海道の雪解けはいつ頃?
こちらも気象庁札幌管区気象台のデータより「長期積雪終日」の平均日の早い地域・遅い地域のそれぞれトップ3をまとめました。
2位 釧路市 3月12日
3位 函館市 3月13日
2位 稚内市 4月4日
3位 網走市・札幌市 4月3日
このデータからは、北海道の太平洋側は雪解けが早く、日本海・オホーツク海沿岸および内陸部は遅い傾向があることがわかります。
一体北海道はどれだけ雪が降るの?
上記のデータから、北海道では大まかに10月末から4月上旬まで降雪があることがわかりました。それでは一体どのくらいの雪が降るのか、次は「累積降雪量」を見てみましょう。
こちらも上記同様、気象庁が計測したデータを元にランキング形式でまとめてみました。
・降雪量の多い地域
1位 幌加内町(ホロカナイ) 1250㎝
2位 朱鞠内町(シュマリナイ) 1229㎝
3位 音威子府町(オトイネップ) 1228㎝
1位 苫小牧市 119㎝
2位 釧路市 133㎝
3位 浦河町 137㎝
降雪を記録する地点が設置された時期がバラバラなので、平均値も母数が各地点ごとに異なり、精密なデータとは言い難いですが、同じ北海道でも地域によって10倍近くも雪の降る量が異なることがわかります。道北地方の方が降雪量が多く、太平洋側では非常に少ないですね。
ちなみに北海道では小中学校の冬期の体育でスキー授業が行われますが、雪の少ない太平洋側の地域ではスキーの代わりにスケートの授業を行います。なので、「道民だから必ずスキー経験がある」というわけではないのです。
北海道の最大都市・札幌の累積降雪量の平均は気象庁によると600㎝弱とのことです。
札幌の降雪量は
それでは、札幌市内10区でどれだけ降雪量に差があるか、今度は札幌市建設局の2018年度のデータを元に見ていきましょう。
・降雪量の多い区
1位 南区定山渓 570㎝
2位 北区あいの里 560㎝
3位 西区平和 550㎝
1位 豊平区 350㎝
2位 中央区・白石区 450㎝
同じ市内でも定山渓と豊平区では2メートル以上もの差があることがわかります。
やはり郊外に行けば行くほど雪が多くなり、中心部に近いと少ない傾向にありますね。定山渓や西区平和は山が近く、標高も高めの場所にあるので降雪量が多いことも納得がいきますね。
雪の預言者「雪虫」
雪が降りだす前になると必ずと言っていいほど「雪虫」が大量発生します。ひどい時は霧のようにそこらじゅうを飛んでいる虫で、油断していると服に付着するのはもちろん、口や鼻、目にまで入ってしまう厄介な虫です。
雪虫はアブラムシの一種で大きさは最大で約4mm、北海道や東北地方を中心に生息する虫です。古くから「雪虫が発生すると1週間後には雪が降る」という俗説がありますが、これには科学的根拠はありません。しかし、雪虫を見つけると「もうすぐ雪が降るな、そろそろ冬の支度でもするか」という気持ちになるのが道民の風習です。
まとめ
北海道は広大なので、地域によって降雪量や雪の降り始めに大きな差があります。
ただ、全道的に共通して言えることは、「北海道の四季は、春夏秋は駆け足で過ぎ去っていき、冬がとても長い」ということです。
また、札幌市内でも区により降雪量は異なるので、転勤などで北海道に移住される方は少しでも雪の少ない地域を選ぶと負担は軽く済みます。それでも3メートル近く降るので、車・服装・除雪用具などの準備は怠らないようにしてください。
ご参考になれば幸いです。