結婚式を会費制で行うのは、北海道ではごく当たり前の事です。最近では、本州でも会費制のスタイルを選ぶカップルもいますが、まだまだごくわずかです。
だから道民以外の方には、会費制の結婚式と言われても、なかなかピンとこない部分があるでしょう。また会費制が当たり前だと思っている道民でも、その由来までは知らない方が多いのではないでしょうか。
そこで、北海道の結婚式はなぜこのような会費制になったのか?由来や、最近の会費の相場などについて解説していきます。
北海道の結婚式が会費制なのはなぜ?
北海道は元々、蝦夷地と呼ばれる未開の地でした。明治になって、蝦夷地から北海道という今の名称になり、明治2年には開拓使と呼ばれる多くの人々が本州から北海道に渡り、北海道の開拓に力を尽くしました。
明治7年には、屯田兵と呼ばれる北海道の警備などを担当する部隊が派遣され、人口は急激に増加していきました。開拓や警備など、非常に体力を使う仕事が多いので、必然的に若い人が多くなります。当然、北海道で結婚し家庭を持つという人もたくさんいました。
しかし、まだ開拓途中の土地です。
貧しい生活を余儀なくされていた中で、
「若いカップルの門出を、周囲の人たちで助け合ってお祝いしよう」
ということから会費制の結婚式が行われるようになったということが由来とされています。
その文化が現代の私たちまで脈々と受け継がれ、今ではすっかり「北海道の結婚式=会費制」というスタンスが定着しました。したがって、北海道の会費制結婚式は、明治の開拓時代から続く、歴史ある風習ということです。
会費の相場はどのくらい?
結婚式の会費の相場は、年々上昇傾向にあります。
結婚情報誌の調べによると、近年では1万7000円~1万8000円くらいの会費が、最も多いとのことです。
結婚式場のランクやゲストの人数などにもよりますが、安くても1万円からで、どんなに高くても2万円を超える事はないのが一般的です。
本州のご祝儀制の結婚式に比べると安いですが、結婚式・披露宴の内容にはほとんど違いはありません。そこが、北海道の会費制結婚式の良さで、本土から北海道の結婚式に初めて招待される人は、「とても良い結婚式の形」といわれる人が多いです。
引き出物はシンプル
金銭的に大きな違いは引き出物です。本州のご祝儀制の結婚式の場合、引き出物も豪華ですが、北海道の会費制の結婚式は至ってシンプルです。
だいたい1000円~2000円程度の品物が1つというのが一般的で、お菓子などの食べ物や洗剤などのいわゆる「消え物」が多いです。
また今では、昔のように資金不足の為に会費制を選択するわけではなく、「会費制」が、「北海道式」という感じで、本土にも少しずつ会費制の結婚式が広がっていってます。
それに、会費だけでは赤字になるような結婚式も多く、門出を祝っていただく招待者に「おもてなし」をする新郎新婦も増えています。
まとめ
北海道の結婚式が会費制である由来は、歴史を紐解くと友人やご近所さん・職場の人など、たくさんの人に支えられ、祝福された事から始まりました。
会費制にする資金面での根本的な意味は変わりましたが、みんなでお祝いする新郎新婦は、そのお祝いの気持ちに応えて幸せな家庭を築くという意味は変わっていません。
会費制の結婚式に招待されたら、是非この北海道の歴史をふと思い出していただき、二人の新たなる門出を大いに祝福してあげてください。