だるまを購入した時やもらった時、両目がないですよね。このだるまの目には願掛けの行いも込められているので、最初は目が描かれていないのです。
では、いつどのようにして目を描けばいいのか?初めてだるまを手にしたときにはわからないと思います。ということで、だるまの目の描き方をまとめてみました。
だるまの目はいつ入れる?
だるまは「壁に向かって座禅を九年行って手足が腐ってしまった」という伝説がある達磨大師をモデルにして作られています。鎌倉時代に日本に伝わった禅宗は達磨大師を重要視し、大師を描いた掛け軸や札を仏像のように祀っていたものが今のだるまの原型で、群馬県の高崎だるまが全国シェア1位となります。
元々だるまに願掛けをするようになったのは、江戸時代の疫病祈願から広まったとされていて、後に養蚕が盛んな地域で、蚕が古い殻を割って出てくる「起きる」という呼び方と「七転び八起き」とをかけて七転び八起きだるまを、守り神のように祀ったことが全国に広がったようです。
このように昔から疫病のような厄を払う意味で祀られたり、縁起を担ぐ意味で祀られるだるまは達磨大師の分身ともいわれています。壁に向かって9年間も手足が腐るまで修行を続けた達磨大師の信念が、だるまを願掛けの縁起物として親しまれているようですね。
達磨大師の残した言葉から
・不立文字(ふりゅうもんじ):実践と体験が大事
・教外別伝(きょうげべつでん):言葉や文字に頼らず教え以外の教えに気づくことが大切
・直指人心(じきしにんしん):自らの心を直接見つめることが大切
だるまの目を入れる時は何かを達成したい時や、願い事がある時など様々な思い入れ(願掛け)があるときに「目」を入れるのがおすすめです。だるまを手にしたときに願い事がないのなら、願い事ができてから目を入れてもいいですよ。ただ、だるまの有効期限は1年といわれています。
左右どちらの目から?
願掛けには、最初に片目を入れて願いが叶ったらもう片方を入れるといわれています。でも、どちらから入れる?右か左か?どっち?と悩みますよね。
元々だるまの目の入れ方は密教の「阿吽」からきているといわれています。
「阿」はすべての始まり、「吽」は終わりを示し、「阿吽」で宇宙のすべてを現しているそうです。左は「阿」で事の始まり、右は「吽」で事の終わりを示し、だるまの目は左目(自分からみて右側)からいれるというのが多いようです。
また、だるまの赤は火を表し、火は南の方位を示します。
陰陽五行では、東より物事が生まれ西で無くなるといわれていて、だるまを南に向けた場合、東が左目、西が右目の方向を示しているから物事の始まりの左目からいれるという説もあるようです。
でも、明確な決まりはなくて地域によって目の入れ方は違うんですよね!日本一のシェアを誇る高崎だるまは「最初に左目、願いが叶ったら右目」とされています。
これは、「向かって右が上手」とか、「右に出る者はいない」という言葉があるとか、座席は向かって右が上位とされることに起因しているという説もありますが、これにもはっきりした決まりはないようです。
どうも一般的には「最初は左、満願で右」、選挙では「最初は右、当選で左」が多いようです。でも、絶対という決まりはないので、地域のお寺や購入した所などで聞いてみるのもおすすめです。
大切なのは、願を掛ける気持ちと信念を貫く精神をだるまに込めることなのでしょう。
目を描くときは、油性マジックペンや筆ペンなどがオススメです。
最初から両目でもいい?
特に祈願をしなかったり願うことがない時には、両目を入れて飾るといいともいわれます。「だるま」には、厄除けの意味もありますので、家内安全などの意味には両目を入れて飾ることが多いようです。
また、地域やお寺によっては商売繁昌・家内安全・健康祈願・学業成就・厄除祈願・安産祈願・交通安全などは、最初から両目を開眼させて飾るところもあります。
まとめ
いかがでしたか。
目の描き方にはどちらが先などの絶対ということはない。両目を最初から開眼させて飾るのもアリ!ということです。目の描き方に間違いはなく、祈願の思いと努力を怠らないように、毎日見守られる場所に飾ることの方が大切かもしれませんね!