出産後はすぐに赤ちゃんのお世話が始まります。
それでも入院中は食事が用意され、お掃除などの家事もする必要がないので赤ちゃんのお世話に専念できますが、退院後はなかなかそういかないというママが多いのではないでしょうか?
しかし、できることなら将来的な体への負担や妊娠・出産で受けたダメージを思うと、産後はしっかり休むことが理想的です。
では、産後はいつまで安静にしておくのが良いのでしょうか?また、どのくらいの範囲なら動いて良いのでしょうか?
気になる産後の生活についてまとめてみました。
産後の安静はなぜ必要なの?
赤ちゃんがママのお腹の中で成長していくにあたり、大きくなった子宮は骨盤や臓器を圧排(あつはい)していました。
これにより、骨盤に歪みが生じたり、内臓の位置にズレが生じていました。
出産後、子宮が徐々に収縮を始めます。それに伴い、骨盤や臓器も妊娠前の位置に戻る訳ですが、産後の安静が不十分だと完全には戻らず、その結果、腰痛や股関節の痛み・尿失禁などの症状が現れてくる場合もあります。
また、赤ちゃんのお世話に一生懸命になりすぎて、疲れに気がついていないことも多々あります。
産後すぐのこの時期は、まだまだ赤ちゃんの生活は安定しておらず、夜間の授乳やオムツ替えなどでママは毎日寝不足状態。
さらにホルモンバランスも普段とは異なるので、突然どっと疲れを感じてしまったり、産後うつや育児ノイローゼ状態に陥ることも決して珍しいことではありません。
特にどこかが痛むわけでもなく、一見元気そうに見えていても産後の安静は今後のためにも非常に重要なのです。
産後の安静の期間
安静の期間について明確な定義はありませんが、一般的に産後約3週間ほどで「床上げ」をする方が多いです。
「床上げ」とはこれまで布団を敷いて体を休めていたママも、布団を上げて少しずつに日常生活に戻ることを言います。
産後3週間はできるだけ横になって安静にしておくのが好ましいですね。
医学的には産後6週間から8週間を過ぎるまでの期間を「産褥期(さんじょくき)」と呼びます。
これは、体が妊娠前の状態に戻るのに必要な期間のことを言います。
もちろん、個人差はありますが、床上げが済んでもまだまだ体は元には戻っていないので、日常生活に戻っても疲れを溜め込まないようにペースを落としながらゆっくり過ごす必要があります。
また、ゆっくりできる環境にあるなら、遠慮なくこの時期こそ甘えてゆっくり過ごせるようにしましょう。
産後はどのくらいの範囲なら動いてもいい?
安静の期間中は、最低限の赤ちゃんのお世話だけにとどめるのが望ましいです。
母乳育児をしている方は授乳だけ、それ以外のお世話は必ずしもママでなければいけないというわけではないので、夫や家族の手を借りれるのであれば、極力お任せするようにしましょう。
また洗濯・掃除や料理・買い物といった毎日の家事も、床上げまではできるだけしない方がいいでしょう。
とはいえ、実家や義実家の助けもなく、夫の仕事も忙しく自分でなんとかしなくてはならないというママもたくさんいます。
そういった場合は家事は完璧を求めず、「とりあえずで良い」とおおらかに構えましょう。
床上げまではきちんとする必要はありません。赤ちゃんの授乳とおむつ替えをし、体の回復のためにしっかりと食べていればそれでいいのです。
産後約1か月は横になる
最低限の育児や家事をしたら、とにかく「横になって」休むことが大事です。
ここでのポイントは「横になる」ということです。
座った状態でも休息はできますが、骨盤やお腹に重力がかかるので、より早く体を回復させるためにも、負荷がかからないように布団の上で横になりましょう。
まとめ
産後は外見からはわかりにくい大きなダメージが体の中に蓄積しています。
さらに赤ちゃんのお世話の疲労が加わるので、産後すぐのママは精神的にも肉体的にもボロボロです。
今は元気でもある日突然倒れたりしないように、また後々それが原因となり何らかの症状を引き起こさないように、産後1〜2ヶ月は意識して休息を取るようにしましょう。