熊野古道は広い?普段着でも大丈夫?ルートによっては靴や装備が違う?

関西の観光
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日本最大の霊場といわれた、熊野古道。古代より本宮・新宮・那智の熊野三山の信仰が高まり、天皇から庶民まであらゆる人々が参詣してきました。

多くの参拝者がいることから「蟻の熊野詣」と今でも伝えられています。

熊野古道とは、その熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)へと続く参詣道のことであり、2004年にはその迫力ある景観と古来より信仰を大切にし、神々が住む土地を守り続けてきた人々の思いが、世界文化遺産として登録されました。(熊野古道の一部の道のみ)

今回はその熊野古道を歩いてみたいけど、広すぎてよくわからない、初心者編~上級者編、服装はどんなものがいいのかなど、熊野古道のルートについてお伝えしていきます。

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熊野古道はどこにあるの?

熊野古道は和歌山を中心に奈良・三重・大阪の4県にまたがる紀伊半島にあります。

主に6つのルートがあるのですが、その全長を合わせるとなんと1000㎞にもおよびます。

覚悟がなければとても歩ける距離ではないですよね!

その熊野古道のコースは幅広く、さまざまで、どのルートを通るかによって持ち物や服装などかわってきます。

初心者編 大門坂~熊野那智大社・那智青岸渡寺・那智の大滝

熊野三山の一つ、熊野那智大社へと続く大門坂。

全長640m、267段の石段の道には、薄い光が差し込む杉並木の神秘的な世界が広がっています。

大門坂から熊野那智大社への距離は約2.7㎞で、歩行時間はのんびり歩いても1時間ほどと、初心者の方でも歩きやすいルートになっています。

近くの地元の小学生たちは、遠足や課外学習で大門坂を歩いているので、歴史や伝統を学べて健康にもいいというとてもよい経験をされていますよね。

入り口から数百m離れたところには、駐車場(無料)やバス停があるので、帰りに疲れてしまってもバスで下って来られるのも初心者にはオススメのポイントです。

入り口には「振ヶ瀬橋(ふりかせばし)」と呼ばれる那智山への神域と俗界を振り分ける小さな橋がかかっており、その先には樹齢800年の巨大な夫婦杉が、まるで参拝者を聖域に導くようにそびえたっています。

別世界に来たような感覚に襲われる圧巻の景観は、人々の心を洗ってくれるそんな気持ちになります。

大門坂での服装は?

大門坂での服装は動きやすい服であれば、どんな格好でも比較的に大丈夫です。

しかし曲げ伸ばしのできないジーパンやロングスカート、ブーツやヒールなどは避けましょう。

初心者向けで、子供でも行けるといってもそこは山道です。石畳にはコケも生えていて、時期によっては滑りやすくなります。

靴は、登山専用の靴ではなく、滑りにくいスニーカーを履いていきましょう。

この場所は本格的な山登りではないので、登山用の靴はしっかりしすぎて歩きにくく、逆に疲れてしまいます。

ポイント 山道に共通することは、必ず長袖長ズボンで行きましょう。

生い茂った木々たちが光を遮りますので、冬場は少し厚手の着脱しやすいもの、夏場は虫や汗対策に通気性のよい(メッシュ生地)がよいでしょう。

中級編 発心門王子~熊野本宮大社

仏の道に帰依する心を発する入り口として名付けられた発心門王子は、熊野九十九王子の中でも別格の五体王子の一つとして祀られています。

熊野本宮大社への道のりでも、最もメジャーなルートの一つです。

発心門から熊野本宮大社への約7㎞の道のりとなり、歩行時間は休憩を取りながら歩いて3時間半ほどで、高低差も少なく歩きやすい道となっています。

入り口の発心門付近はほぼ山の中なので、駐車場や施設がありません。本宮大社からスタート地点まで、バスが運行していますのでそれを利用するといいでしょう。

水呑王子

次の地点の水呑王子では、地元の方たち以外にあまり知られていない、腰痛のお地蔵さまが鎮座されております。

腰の部分で二つに分かれたお地蔵様は、古くより自分の身体の悪いところをさすると病気が治ると信仰されていました。

今でも地元の方たちや参拝者の信仰を集め、腰の部分にはお賽銭がはさまれており温かい雰囲気が流れています。

発心門王子周辺の服装は?

山の中や小さな集落を繰り返すこの道は、服装は大門坂でのものと同じでいいでしょう。

ただし持ち物として、リュックサック・懐中電灯・雨具(カッパや折り畳み傘)を強くおすすめします。

山中ですので天候が変わりやすく、夕暮れも早いのでその辺を考慮の上参拝しましょう。

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上級編 大雲取越・小雲取越

この道は熊野那智大社・那智青岸渡寺~熊野本宮大社

中辺路を通り、熊野本宮大社~熊野速玉大社~熊野那智大社と参拝を終えた旅人たちは、その名の通り、雲の中を進むがごとき大雲取越・小雲取越をこえて、本宮大社へと戻ったそうです。

さあ、ここからは険しく過酷な道が続いています。大雲取越では急な石段、アップダウの激しい坂道などが続きます。

まさに修行としても使われたこの道は数多くの歴史や人々の足跡を残し、古道として圧巻の雰囲気を味わえます。

・大雲取越(那智青岸渡寺~小口)の距離は約14.5㎞
標準所要時間は約7時間

・小雲取越(小口~熊野本宮大社)の距離は約13㎞
標準所要時間は5時間半

一般的には熊野那智大社から進み小口で1泊し、翌日に小口から熊野本宮大社へと下っていきます。

大雲取越・小雲取越での服装は?

このルートでの服装は、基本的には初級編・中級編と同じ服装で大丈夫なのですが、おすすめは激しいスポーツができるほどの動きやすい服装です。

長袖長ズボンはもちろん帽子もかぶっていきましょう。

たまに外国人観光客の中で短いズボンをはいている方をみかけますが、あとから聞くとアブや蚊・草木などで傷だらけになったそうです。このようにならないためにも、身体が隠れる服装は必須ですよ。

大事なものは靴選びと持ち物!

かなりの距離を歩いていきますので履きなれた靴、スニーカーで挑みましょう。ハイキングシューズからトレッキングシューズでもライトのものがおすすめです。

新しい靴は絶対にやめましょう!足を痛めてしまいます。

持ち物も最小限にして、リュック・水分(水やスポーツ飲料)は必須です。まわりには、ほとんどお店や民家がないので、最低限の軽食やあめなどのおやつも持っていきましょう。

懐中電灯・雨具・必要であれば杖も忘れずに。

おわりに

雄大な山々、数多の神様の住むこの地には伝えきれないほどの歴史や伝えがあります。

語り部さんと一緒にまわると地域の歴史や文化を学びながら進めるので、より雰囲気を味わうことができるでしょう。

修行の道ともいわれる熊野古道で後悔のないように、服装や持ち物は慎重に選んで挑んでいきたいですよね。

熊野は蘇りの道。
心を静めて神秘的な神々の住む熊野の道を、ぜひ味わっていただきたいです。

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