日本人の主食といったら米。多くのご家庭で米のとぎ汁は毎日出ますよね。
そのとぎ汁、皆さんはどうしていますか?
普通は米を研いだらそのまま捨ててしまうとぎ汁ですが、実は様々なことに利用できるのです。
そこで今回は米のとぎ汁の驚くべき効果や活用法についてご紹介していきます。
とぎ汁の成分
お米を炊くときに数回お水で洗いますが、その時に白く濁った成分がお米のとぎ汁です。
とぎ汁の白い成分はヌカになり、このヌカが様々な成分を持っているのです。
体にいい栄養成分はもちろんのこと、生活する中でも様々な用途の成分が含まれています。
とぎ汁で食材の下茹で
米のとぎ汁の最もメジャーな使い道といえば「食材の下茹で」です。
アクの強い野菜やお肉・お魚などの下茹でには水よりもとぎ汁が最適なのです。
例えば、大根やニンジン・タケノコ・ゴボウのような野菜を煮付ける時に、水で煮てしまうとどうしてもその野菜特有の苦味やエグ味などが出てしまいます。
とぎ汁で下茹ですると、とぎ汁の中に含まれるカルシウムの働きにより、味がまろやかに仕上がります。
また、豚肉の下茹でや身欠きニシンを戻す時にも水ではなくとぎ汁を使うことで、タンパク質が分解されよりふっくらとした仕上がりになります。
とぎ汁で食器洗い
米のとぎ汁には天然の界面活性剤とも呼ばれる「ガンマグロブリン」という成分が含まれていて、油汚れを落としやすくする効果があります。
日本では、石鹸が普及されるまでとぎ汁の成分でもあるヌカで食器などを洗っていました。
その効果を利用して、とぎ汁を桶などに溜めておき、食後はそこに食器をつけておくと、水やお湯につけた時よりもはるかに汚れが簡単に落ちるようになります。
私はカレーを作り終わったあとのお鍋に溜めておいたとぎ汁でつけ置きしておくのを習慣にしています。
ある程度の時間つけ置いたら少し洗剤をつけたスポンジで軽くこすると、カレー独特のへばりついた頑固な汚れもスルッと落とせます。
ゴシゴシこする必要がなくなるので食器洗いの時短にもなりますし、洗剤の節約にもなります。食洗機に入れる前の予洗いに利用してもいいですね。
さらに、シンク洗いにも活用することもできます。とぎ汁を含ませたスポンジでこすると、軽い汚れなら洗剤なしで十分ピカピカになります。
とぎ汁で拭き掃除
とぎ汁は油汚れに効果がある、ということは上述しましたね。
さてここで家の中を見回してみましょう。
裸足で歩くフローリングや、1日に何度も触るドアノブや椅子の背もたれなど、家の中にはヒトの素肌が擦れる場所がたくさんあります。
こういった場所には皮脂汚れがたまりやすいのです。
皮脂とはつまり油分ですから、とぎ汁はここでも洗浄効果を発揮します。
さらにはとぎ汁に含まれる脂質(油分)である「オリザノール」の働きにより、木製家具にツヤが出る、ワックスのような効果もあります。
拭き掃除の仕方は、とぎ汁をスプレーボトルなどに入れ、掃除したい場所に吹き付け雑巾などで磨くだけです。
市販のワックスを塗るとなるときつい有機臭がしたり、乾くまで時間がかかるのでなかなか骨の折れる作業になります。
「とぎ汁ワックス」はワックス塗料比べるとツヤは弱いのですが、手間はかからないので日常的なお掃除にぴったりです。
ただし、木材の種類やもともと塗ってあるワックスの成分によっては相性が悪い場合もありますので、初めて行う場合は目立たないところでテストしてみてくださいね。
とぎ汁で洗顔
食器洗いや拭き掃除など、とぎ汁には汚れを落とす作用がありますが、もちろんこれはお肌でも同様です。
お肌の余分な皮脂を吸着させて落とすばかりではなく、米ぬかの微粒子がスクラブのような働きをして古い角質もスッキリきれいにしてくれます。
さらに、油分であるオリザオイルの他にビタミン・ミネラル・セラミドなど肌に良いとされている栄養素が豊富に含まれているので、汚れを優しく落としながら保湿もでき、使い続けることで美肌効果も期待できます。
とぎ汁を植物の水やりに
米のとぎ汁に含まれる炭水化物・油分(脂質)・ビタミン・ミネラルといった栄養素は植物の成長にも重要なものです。
水ではなく米のとぎ汁を植物に与えることで、成長を促したり長持ちさせる効果があります。
まとめ
いかがでしたか。
普段捨てている米のとぎ汁は実は多くの成分が含まれており、その成分は日常のあらゆる場面で活用できます。
そしてその最大のメリットはコストをかけず再利用できるということです。
水道代・洗剤代・コスメ代・肥料代と一つ一つは小さな節約ですが、「チリも積もれば山となる」の言葉通り毎日の習慣にすればやがて大きな結果をもたらします。
捨てるはずのものを再利用することはエコにもつながります。
環境にもお財布にも優しいとぎ汁活用術、ぜひ実践してみてください。